ファッションはアートになるのか?
以前、モダンアートの解説絵本を紹介しました。
「roomie」のサイトで読みました?
面白かったでしょ。
さて、今回、アートとファッションについて考えてみたいと思います。
”ファッションはアート”なんて言葉を耳にしたことはおありでしょうか?
聞いたことありますよね。
確かに、アーティストとブランドのコラボレーションは、時折見られます。
ルイ・ビトンは、村上隆氏や草間彌生さんとのコラボレーションでアイテムを発表しています。
でも、これはあくまでもバッグの柄にそのデザインを使っているというだけです。
これがアートかといわれると・・・、どうなんでしょうね?
デザインとアートの違い
ファッションはデザイナーが作りますよね。
では、アーティストって何を作るんでしょうか?
デザインとアートの違いを考える必要があるような気がします。
音楽を作る人は、アーティストって言われます。
または、芸術家もアーティストです。
この違いは、なんでしょうか?
おそらく、生活するうえでの道具を作る人か、そうでない人かということだと思うんです。
道具というのは、生活で必要とされるもののことです。
生活必需品などですね。
生活必需品を作る人は、デザイナー。
必需品でないものを作る人は、アーティスト。
こういうことでは、ないでしょうか。
では、ファッションはアートなの?
つまり、”ファッションはアートなのか?”という考えは、必需品なのかそうでないのかという視点で変わるのだと思います。
ファッションはあくまでも服装であり、必需品であると考える人は、アートでなくデザインだと言うでしょう。
生活で使う上での使いやすさや、ある目的を達成するための道具、などと服飾をとらえると、アートとはいえないと思うんです。
また、逆に、アート作品を道具というのは、ちょっとヘンですね。
道具ならば、デザインするというのが正しいでしょう。
ということで、衣類が生活必需品なのであれば、”ファッションはアートとは言えない”と思うのです。
しかし・・・。
パリコレなどのコレクションはいかがでしょうか?
作品によっては、もう、道具という枠を超えているとは思いませんか?
人の体に合わせる以上は、そこはデザインなのだと思います。
でも、あそこまでデザインしたものを生活必需品としての服だとか、道具としての衣類だとは、もう言えませんよね。
アート要素の強いコレクション
ということで、ファッションはアートかというのは、必要性の範囲で道具としての要素を追求すれば、ファッションはアートではなく、デザインになってしまう、と思うのです。
しかし、コレクションのように、道具の枠を超えた作品は、アートというメッセージ性が組み込まれていると言って良いでしょう。
もちろん、コレクションにはアーティスティックな作品以外に、通常の服飾も紹介されます。
それを見るとき、我々は、一つのデザインと認識しているのではないしょうか。
ということで、
ファッションは、アートになり得る。
また、
生活で使う道具としてのデザインである。
この線引きは、とても曖昧で、明確に分けれるラインではないのかもしれません。
でも、私たちがファッションを見るときの一つの目安としておけば、ファッションをアートとして楽しむ方法も広がると思います。
もちろん、生活を助けてくれる道具としてのデザインとして、その機能を追うのも良いと思うのです。
あっ、異性にもてるためというファッションの使い方でも、道具としてのデザイン的視点だと思うんですよ。